※当サイトは、アフィリエイト広告を使用しています。
こんにちは。YAMATOです。
生まれ育った故郷ってありますか?もし、あるという人は大事にされてください。故郷を無碍にした結果、失ったことで、その大切さに気づいた男の話をしたいと思います。
雪国で生活するのは大変
新潟県の山村。本格的に雪が降り積もる12月末から3月までこの景色。ここが僕の故郷。
とある日。両親から報告があると言われた。
豪雪地帯、過疎化、村根性に疲れたので、街に移り住むことを決断したと。
あまりにも衝撃的で、ただただ驚いた。
いつかは地元に帰ると約束を反故した自分に「寂しくなるな」という発言が許されることもなく、「そうか。」としか言えなかった。
両親が疲れてしまった根本的な理由は雪国で生活することが大変だからだ。
ただ、大変な環境ということは、イコール手つかずにあるという意味でもあり、この場所は日本の原風景だ。と小さな頃から気づいていた。
山奥過ぎて数十分単位で天候が変わる。景色がクルクル変わるのも不思議な魅力だった。
雪国の楽しみといえば、雪中●●をすること。
例えば焚き火。ゴミを燃やすんじゃなくて、ちゃんと薪を燃やす。
オシャレなキャンパーは、スノーピークの本社でわざわざキャンプをするが、僕の実家でやったほうが絶対に過酷だし景色も良いと思う笑
しかし、安全なスノーピーク本社でのキャンプと大きく違うのは、「生死を分ける」場面に直面することがあることだ。
自宅から駐車場までの200m。雪の壁が毎年出来上がる。毎日1m以上の積雪になるので4:30に父親は起床。そこから1時間半かけて除雪をするのが日課だった。
毎週末は雪下ろし。とてもじゃないが爺さん、婆さんになったら対応できない。だから毎年、雪に埋まって発見される。都会の人達からしたら意味が分からないだろうと思う。
でも、こうゆう場所で生きている人たちは全国に沢山いる。
田舎暮らしを受け入れられない学生時代
こんな過酷な環境で両親は長い間生活をしてくれていた訳だが、僕は父親のように雪と格闘する費用と時間を搾取されるのが耐えられなかった。
なぜなら、幼い時から東京のことを知っていたからだ。
年に1度、母方の実家に帰省するため羽田空港に向かう道中、真冬なのに雪もない東京に完全に心が奪われていた。
「なぜ、こんな田舎で生活しなきゃいけないのか」と子供の時から考えていた。
発熱してる時ですら、父親は雪を下ろしたり、雪の道を作ってくれていたのに、「手伝おうか」とか「ありがとう」と一度も言ったことが無いのは、子供の頃からの気持ちを引きずっていたからだった。
どんなに大変な環境でも、弱音を吐いたことのない父親はとても強いと思う。
地元に残ることはできなかったのか?
18歳で上京し沢山の人と音楽を楽しみ、イベントの世界に飛び込んだ。それから…結婚を考えた時、第一子を授かったとき、就学するまであと数年という時になんとか地元に戻れないか模索はしていた。
仕事の観点
上京して20年以上。経済的な部分で考えれば実家に戻るメリットはある。Uターンも検討したが、自身が経験してきた業種(芸能・広告)で転職を考えると仕事の幅が狭まるし、チャレンジできる事も限定されてしまう環境になると判断し東京に居を構えるに至った。
安全面の観点
温暖化の影響から異常気象が続いている。自然災害も増えている。故郷のエリアで怖いのが土砂崩れと熊被害。自然と一緒に暮らしていくことは、そもそもハードルが高い問題になっていた。
刻々と迫る故郷を出る時
あと数ヶ月で実家がなくなるのに時間だけが過ぎていく。仕事も忙しく、実家に帰れない日々が続いたが、なんとか最後に実家へ。
芋掘りの帰り道。稲刈りも終えた田んぼ道を家族皆で長靴を履いて歩く。
子どもたちは楽しいと笑いながら「また、やろうねー」と話をしている。
「次来れるのはいつの日か」と言ってしまいそうなのを堪え、なんとも言えない気分に。
実家が無くなってしまう。想像以上にキツく感じた。
故郷を失って気づくこと
芋掘りのあと、弟と家で焚き火。
空を見上げれば星に囲まれている事に気づく。標高が高いから星もキレイだったっけ。
絶景を探してキャンプしているのに、故郷の自然も凄かったんじゃん。と今更ながら実感した苦笑
僕は何を見て生きてきたのだろうか…。愚かだなと思いましたよ。ホントウに汗。
故郷がある人は、その場所を大切にしてください。
他人から見れば大したこと無くても、自分の故郷ってやっぱり良い。
暮らすには大変なことや、危険もあるかもしれないけど、自分にとって凄く大切な場所なんです。
戻りたいって思った時にその場所を、ちゃんと守れる大人に僕はなれなかった。
とはいえ、こういう景色を見ながらギターを鳴らしていた小僧には何を言っても分からなかったんですよね。
今更こんな話をしても、なんにも生まれないなと反省し東京に向かって車を走らせた。